微熱の

ちゃんと食べて眠りなさい

しげおかくんと恋がしたい人生だった。

人生だった、というか青春したかったというか…。
 
とりあえず自分は高2ぐらいで、クラスメイトの重岡くんとは、直接連絡先は知らないけれど席が近い時には普通に話したりするぐらいの仲です。
クラスメイトの重岡くんなんて言ってみたけれど、たぶん重岡呼びですね。
男子は苗字呼び捨てしてますキャラでいってます。ノリがいい的なキャラね。
普段の彼は教室でおちゃらけてるけれど、部活とかでは真剣な表情を見せたりするからそのギャップにときめく女子がちらほら。そしてかくいう私も、実はちらほらの一部。
とはいえ好きな人とまでは言えず、ちらほらしてるのが楽しいなぁぐらいの意識でいたら!
 
休日にいきなり呼び出されるのです。
「近くにおるから出てこい」とかなんとかいきなり!?連絡先教えてないのに!?あ、クラスのグループのやつか。いやいや、なんでいきなり!?
と、とまどいつつちょっとお気に入りのスカートとか引っ張り出しますよね。
「ちょっと時間かかるかも」とか返事しつつも、猛ダッシュで行きますよね。
とりあえず学生なので自転車です。
急ぎながらも、もしかしてふたりっきり?まぁ、ほかの子もいるよね。あ、でもそれなら言うか。てことは…。でもなんで?と頭でグルグルしながら、顔はニヤニヤしてる。
ちょっとこれは危ないヤツ。
だから、待ち合わせ場所の近くに来たらちょっとスピードを落として、なんなら降りて自転車押しながらゆっくり近づいていきます。
なんか急に呼び出すけど暇だったし来てあげたよ(ここまで早口一息)、みたいな顔を作ります。
さて、角を曲がったら、彼の背中。
あ、私服こんな感じなんだぁ。え、自転車電動!?
と新しい発見に驚きつつ、声をかけると、振り向いた瞬間、いつもの笑顔です。
いや、ちょっと違った。
よく友達と話すときの、ぎゃはは!なんて恐竜みたいに大口開けた笑い方じゃなくて、ちょっと柔らかい微笑み…。
あー、またギャップ。G・A・P。
ほらもう、またちらほらモード入っちゃうからね!
と葛藤してたらじっと感じる視線。
そしてなぜか大笑い。
いきなりのことで混乱していたら、指までさされるわけです。
おいこら歯の数カウントしたろか?
「前髪、ぐちゃちゃやで!おでこパッカーンや!」
と、まだヒーヒー笑われて。ひどい。乙女心わかってない。
ん?待って。
私にも乙女心あったの?なんて気づかされる展開。
いやいや私そんな。キャラじゃないし。と気持ちを落ち着かせたい自分と、なんだかんだいつも気になってたんじゃん。と気持ちをつつく自分とが対戦中で。
彼の顔を見れなくて、視線を電動自転車に移すと、待ってましたとばかりに愛車の自慢です。
「これなー、小遣いためて買うてん。ええやろー。坂道もすいすいーやで!」
と、楽しそうに説明してくれるのでなんだかつられてこっちも笑っちゃう。
緊張もほどけていつものふたりに戻りつつも、これからは違うふたりになりそうな予感…。
 
みたいなね!
あー長かった。楽しかった。
と、ここまで書いてお気づきの方もいらっしゃると思いますが、これはドリカムのRing!Ring!Ring!のイメージでした。 
この曲を聴くとどうしても重岡くんの顔が思い浮かんで仕方なかったもので、ついこんなことに。
曲中、愛車自慢する(予定)は本当は女の子側だったりするけれど、昔は重岡くんの電動自転車自慢をよく聞いたので。ちょっと変更。
さらに言えば、背中にしがみつくなんて描写もありますけど、どう考えても二人乗りなので一応これはダメ、ぜったい!として省いてます。
ちょっと待って。背中にしがみつく…。
結構からだしっかりしてるんだなぁ。とか、おなかの筋肉…。とかなるやつですね。
ほう…。それはよい…。
 
ここ最近の重岡くんはぐっと大人っぽさがでてきて、男の子というより男性と呼ぶにふさわしくなりつつありますが、まだまだ垣間見える男子感が学生時代、青春時代を思い起させるのかな。
遠くから眺めていたいような言葉を一言一句こぼさずに拾えるぐらい近くにいたいような、好きと憧れが混ざる感じ。
結末に関係なく、恋する気持ちを持たせてくれそうな、恋だったと快く振り返らせてくれそうな。
あれ。これはもしかしなくてももうすでに恋してるわ。